東京四谷総鎮守│須賀神社

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三十六歌仙絵ご紹介(第1回)

皆様、いかがお過ごしでございましょうか。

コロナウィルスの影響が広範囲にわたり、東京四谷総鎮守 須賀神社のある東京都も非常事態宣言下ということもあり、物静かな日常を過ごしております。

当社ではウィルスの終結祈願を執り行っておりますが、この機会にサイト上にて当社のいわれや、所蔵するものをご紹介していこうと思います。

当社では天保七年に画かれた三十六歌仙絵を社宝として御本殿に掲げており、今後、この三十六歌仙絵にまつわるお話を絵と共にご紹介いたします。

まず第1回目としては、三十六歌仙絵のあらましについてのお話です。

三十六歌仙絵

<三十六歌仙絵概説(新宿区指定有形文化財)>

 三十六歌仙絵は、平安時代中期の公卿藤原公任(ふじわらのきんとう)(966〜1041)が、過去および同時代の優れた歌人36名を選定したもので、万葉歌人から柿本人麿・山部赤人・大友家持の3名、平安時代前期の『古今集』『後撰集』頃の歌人から紀貫之・在原業平・小野小町ら33名が選ばれています。</ br></ br>  三十六歌仙絵は、それぞれの歌人の肖像画に代表作一首を書き添えたもので、平安時代後期に出現した似絵(にせえ)という肖像画の影響をうけ、鎌倉時代初頭に成立し、江戸時代まで盛んに描かれました。</ br></ br>  須賀神社の三十六歌仙絵は、三十六歌仙を一人一枚の絵に仕立てたものです。縦55cm・横37cmの絹地に彩色したもので、現在は額装され、社殿内に掲げられています。</ br></ br>  当時、画家として高名だった四谷大番町(大京町)に住む旗本大岡雲峰(1764〜1848)の絵と、和歌や書画で人気を博した公卿千種有功(ちぐさありこと)(1797〜1854)の書により、天保7年(1836)に完成・奉納されたもので、四谷の総鎮守として信仰を集めた須賀神社の隆盛を物語る文化財の一つです。

 御本殿内、格天井には、同じ雲峰の草花の図 が描かれています。これは天保十四年癸卯十一月冬至後吉日と記され、時歳八十の作です。その他多くの当社の社宝は戦災に依って御社殿と共に焼失しました。

このような三十六歌仙絵について、これから月に1回程度、1枚ずつご紹介してまいりたいと思います。次回は柿本人麿の絵と和歌などを中心にお届けいたします。